空手の段位について
現在各国に於いて、多種の段位が発行されている様です。
- 道場主が自分の弟子に発行する、個人道場の段位証書
- その地域、又は国の空手組織が発行する、段位証書
- 国際組織が発行する段位証書
などがある様です。それ等を保持することは、空手の好きな人にとって、とても楽しいことです。
この機会に、マスター浅井が遺した段位に関する資料を公開したいと思います。
段位習得条件
前提として、道場訓である5つの事柄を守っている事が重要となる。
空手道を2年以上練習した者、かつ1級の証書を保持している者が初段審査を受ける事ができる。
初段
空手道の基礎的な技術を修得し、此れの基礎的な使用を一応なし得るものに与えられる。
基本 Basic
- 三本突き(前進) Sanbon-tsuki Zenshin(forward)
- 上段揚受・前蹴り・逆突き(後進) Ageuke to Mae-geri, Gyaku-tsuki (backward)
- 中段外受け・騎馬立猿臂・前屈立裏拳・逆突き(前進) Sotouke-zenkutsu-dachi, Enpi-Kiba-dachi, UraKen-zenkutsu-dachi, Gyaku-tsuki-zensin (forward)
- 後屈立手刀受け・前足前蹴り・前屈立貫手(後進) Shuto-uke-kokutsu-dachi-maekeri (Maeashi), Nuki-te-zenkutsu-dachi
- 中段内受け・刻み突き・逆突き(前進) Uchi-uke to Kizami-tsuki-zenshin Gyaku-tsuki (forward)
- 前蹴り・廻し蹴り(前進) Gedan Barai, Ren-geri of Mae-geri, Mawashi-geri
- 前蹴り・横蹴込み(同じ足・前進)(同じ足) Mae-geri, to Yoko-kekomi (the same leg)
- 横蹴上・横蹴込(交差立ちにより横移動) Yoko-keage, Yoko-kekomi
- 廻し蹴り・後蹴り(前進) Zenkutu-dachi to Mawashi-geri, (Turn) Zenkutsu-dachi to Ushiro-geri
- 上段外受け・横により足下段払い・前足前蹴り・逆突き(前進) Jodan-sotouke,yokoni-yoriasshi-gedannbarai,maeashi-maegeri,gyaku-tsuki(forward)
回って下段払い(Turn)
回って下段払い(Turn)
騎馬立ちより Kiba-dachi
回って下段払い(Turn)
回って下段払い(Turn)
形 Kata
- 指定形 (平安二段〜五段・鉄騎初段)
- 指定形 (順路初段〜五段)
- 得意形
組手 Kumite
- 自由一本組手 Jiyu Ippon Kumite(上段追突く・中段追突き・前蹴り・横蹴り・廻蹴り・後蹴り)
2段
空手道の基礎的な技術を体得し、これの基礎的な使用を十分なし得るものに与えられる。
基本(今まで習得した技術に加えて) Basic (in addition to already acquired skills)
- 刻み突き、三本連突き Kizami-tsuki, Sanbon-tsuki(Rentsuki)
- 刻み突き、前蹴り、追突き Kizami-tsuki, Mae-geri, Oi-tsuki
- 下がって揚受けより、廻蹴り(後ろ足)、裏拳、追い突き step backward, Age-uke to Mawashi-geri (with the hind leg), Ura Ken, Oi-tsuki,
- 後ろ蹴り、裏拳、逆突き、横蹴込み、廻し蹴り、後蹴り左右 Ushiro-geri, Ura Ken, Gyaku-tsuki, Yoko-kekomi, Mawashi-geri, Ushiro-geri (right & left)
- 前蹴り、横蹴込み、廻し蹴り、後蹴りMae-geri, Yoko-kekomi, Mawashi-geri, Ushiro-geri
- 逆突きのコントロール Control of Gyaku-tsuki
回って下段払い(Turn)
回って下段払い(Turn)
回って下段払い(Turn)
回って下段払い(Turn)
形 Kata
- 指定形 (慈恩・抜塞大・燕飛・観空大の中より審査員が1つ指定する)
- 指定形 (順路初段〜五段の中より審査員が1つ指定する)
- 得意形
組手 Kumite
- 自由組手 Jiyu Kumite
3段
精神面において人格完成に努めている事。そして、空手道の一般的な技術を体得し、その原理を理解し、かつこれの基本的な使用を充分なし得る者に与えられる。
基礎(今まで習得した技術に加えて) Basic (in addition to already acquired skills)
- 手技:連続追込み
- 足技:連続追込み
- 手足混合技:連続追込み
形 Kata
- 指定形 (慈恩・抜塞大・燕飛・観空大・十手・半月・岩鶴・順路初段〜五段の中より審査員が1つ指定する)
- 選定形 (常行一勢〜五勢の中より自選)
- 得意形
組手 Kumite
- 自由組手 Jiyu Kumite
4段
精神面において自ら人格完成に努め、人間性に関して指導力がある事。そして、空手道の全般的な技術を体得し、その原理を解し、かつこれの基本的ならびに応用的な使用を充分なし得る者で、普通的な指導力のある者に与えられる。
形 Kata
- 指定形 (松涛流26の形・順路形より審査員が指定する)
- 選定形 (常行一勢〜五勢の中より自選)
- 得意形
組手 Kumite
- 自由組手 Jiyu Kumite
5段
自ら人格完成に努め、日常において言動などの面で弟子や後輩達の模範となりうる事。そして、空手道の技術が一応高度の段階に達し、かつ独自の工夫研究をこらした者に与えられる。
形 Kata
- 指定形 (松涛流26の型及び順路初段〜五段より審査員が指定する)
- 選定形 (常行一勢〜五勢・鶴翼初段〜三段より自選)*前回昇段以外の形
- 得意形 トクイカタ Tokui-Kata (Specialty/best form)
- 形の解説 (Narration on Kata)
組手 Kumite
- 自由組手 Jiyu Kumite
6段
空手道修行に心身を打ち込み、心技共に高度の域に達したる者に与えられる。
形 Kata
- 指定形 (松涛流26の型及び順路初段〜五段より審査員が指定する)
- 選定形 (常行一勢〜五勢・鶴翼初段〜三段より自選)*前回昇段以外の形
- 得意形 トクイカタ Tokui-Kata (Specialty/best form)
- 形の解説 (Narration on Kata)
研究発表
7段
空手道修行に心身を打ち込み、心技共に円熟の域に達したる者に与えられる。
形 Kata
- 指定形 順路初段〜五段・常行一勢〜五勢・鶴翼初段〜三段)
- 得意形 トクイカタ Tokui-Kata (Specialty/best form)得意形 トクイカタ Tokui-Kata (Specialty/best form)
研究発表
8段
空手修行に心身を尽くし、心技共に精妙の域に達したる者に与えられる。
師範会の推薦及び研究発表
9段
師範会推薦
10段
空手道の薀奥を究め、超凡の域に悟入したる者に与えられる。
師範会推薦
段位習得に関する期間
- 空手道を2年以上練習した者、かつ1級の証書を保持している者が初段審査を受ける事ができる。
- 初段取得後1年間の練習を経て2段の審査を受ける事ができる。
- 2段取得後2年間の練習を経て3段の審査を受ける事ができる。
- 3段取得後3年間の練習を経て4段の審査を受ける事ができる。
- 4段取得後4年間の練習を経て5段の審査を受ける事ができる。
- 5段取得後5年間の練習を経て6段の審査を受ける事ができる。
- 6段取得後6年間の練習を経て、かつ満41歳以上の者が7段の審査を受ける事ができる。
- 7段取得後7年間の練習を経て、かつ満50歳以上の者が8段の審査を受ける事ができる。
- 8段取得後8年間の練習を経て、かつ満60歳以上の者が9段の審査を受ける事ができる。
- 9段取得後9年間の練習を経て10段の審査を受ける事ができる。
※四段以上は、松涛流全26形全てを習得している事
師範称号について
空手道師範称号は、空手道7段以上の段位を保持し、技術局及び、首席師範の認可を得た者が、
師範称号の資格を得ることができ、はじめて師範を名乗れる。
証書はマスター浅井の直筆である。