陳宏宗 追悼コメント
その1
私は、たくさんの武道(相撲、柔道三段、剣道三段、杖道、中国の九節鞭、十二節鞭、白鶴拳)をやったが、空手が一番良い。白鶴拳をやって60余年だが、30代の時、本で空手のことを読んで空手に注目した。そこへ妹が浅井先生を台湾へ連れてきた。その時、私は白鶴拳の師匠 林元龍先生の師範代をやっていたのだが、私が浅井先生と空手を紹介するために演舞をした時、浅井先生の蹴りを見ただけで林先生は自分の弟子全員に空手を習えと命じ、自分の道場を閉めたのだ、そして毎日空手の稽古を見に来ていた。そして武道の中で空手が一番素晴らしいとほめちぎってくれた。
一番印象に残ったのは、浅井先生が来て最初に演舞した時、浅井先生が突いて来なさいと云ったので、その通りにしたら、全然相手にならなかった。
その時、武術の心得が高く有ると思っていた兄弟弟子達が全員大声で怒鳴り始めたので、怒っているのかと振り返って見ると、それは驚嘆の声だった。こんな奴に何ができると思っていた皆は声を上げて
「ええっ!こんな技見たことないぞ、何だそれは!!俺達に出来るわけないよ!!」とか「鋭いぞこれは!破壊力すごいぞ!!」とか叫んでいたのだ。
私は生徒達に私が身をもって、空手が一番良いと感じたのだから、みんな一生懸命練習しなさいと何時も云っている。
その2
浅井先生のすごい技を見て「あっすごい!」とついて行くのが当たり前なのに、ついていけないからと悪口を云う人がいるが、それは間違っている。
浅井先生はチャンピオンを勝ち取った素晴らしい空手の技があるから今日の技を身につけ開発する事ができたのだ。白鶴拳の技など60年やっている僕でさえ、此処迄しか肘が引かないのにすぐにこんなに上がるのだ。そしてスピードがものすごくある。本当にすごい!
その3
浅井先生は本当に武術の天才だ。
九節(鉄)鞭や十二節鞭など、僕は何十年もやって、まだ中々納得いかないのに先生は僅か二週間で全部覚えてしまい、しかも完璧なんだ。いやになっちゃうよ。すごいよ!其の他の武器の技も何日もかからないですぐに覚えちゃう人だ。